コラム - 個人再生

個人再生で住宅を残す方法-住宅資金特別条項②(具体的な内容)

弁護士の櫻田です。 個人再生をする大きなメリットの一つとして,住宅ローンはそのまま返済をして,住宅を残して住み続けることができる点があります。 これを可能にする制度が「住宅資金特別条項」であり,その意義と条件については,別の記事でご説明したとおりです。 今回は,さらに進めて,住宅資金特別条項の具体的な内容についてご説明したいと思います。 この点,住宅資金特別条項は,上記のとおり,住宅ローンはそのまま返済するものですので,個人再生手続後も,住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)の約定通りに,遅滞なく返済していくことが原則的な内容になります...

個人再生で住宅を残す方法-住宅資金特別条項①(意義・条件)

弁護士の櫻田です。 個人再生をする大きなメリットの一つとして,住宅ローンはそのまま返済をして,住宅を残して住み続けることができる点が挙げられます。 自己破産をする場合は,原則として,ほとんどの財産は処分・換価され,特に,ローンの支払いが残っている住宅は,抵当権を設定している銀行等の金融機関により競売にかけられるなどして売却されてしまいます。 これに対し,個人再生をする場合,住宅資金特別条項という制度を利用することによって,住宅ローンはそのまま返済をしながら,住宅を残すことが可能になるのです。 今回は,この住宅資金特別条項の意義・条件...

個人再生をしても減額されない債権②-非減免債権(離婚に伴う養育費・慰謝料)

弁護士の櫻田です。 今回は,前回に引き続き,個人再生をしても減額されない債権(非減免債権)についてご説明します。 前回の共益債権・一般優先債権との違いは,非減免債権は個人再生の手続の対象となるということです。 個人再生の手続の対象となるとは,再生債権として扱われ,具体的には,①裁判所への申立ての際,債権者一覧表に記載して債権者として申告する必要がある,②再生手続中に弁済することは禁止される,③再生計画で最低弁済額を算定する際の基準額に含める必要がある,ということです。 非減免債権は,離婚に伴う養育費や慰謝料が代表例として挙げられます。 ...

個人再生をしても減額されない債権①-共益債権・一般優先債権

弁護士の櫻田です。 個人再生は,住宅ローン以外の借金について大幅な減額を受けるという手続です。 しかし,中には,そもそも個人再生の対象とすることができず,減額されない債権があります。また,個人再生の対象となっても,減額が認められない債権もあります。 そこで,今回は,前者の,個人再生の対象とならず,個人再生をしても減額されない債権,具体的には,共益債権と一般優先債権についてご説明します。 なお,後者の,個人再生の対象となっても,減額が認められない債権(非減免債権)については,別の記事でご説明します。 個人再生の手続の対象とならない債...

個人再生の最低弁済額の算定

弁護士の櫻田です。 今回は,個人再生の最低弁済額の算定についての記事です。 個人再生では,住宅ローン以外の借金を大幅に減額する手続ですが,具体的にいくら支払えばいいのかは,いくつかのルールによって決められることになります。 個人再生では,最低でもこれだけは支払わなければならないという基準額が法律で決められており,これを「最低弁済額」といいます。 初めての方にはなかなか理解が難しいこともありますので,この最低弁済額の算定について,順を追って説明します。 借金総額によって導かれる最低弁済額 民事再生法では,以下のとおり,借金の総額による...

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