コラム - 自己破産

自己破産をしても必ず免責されるとは限らない?-11タイプの免責不許可事由

弁護士の櫻田です。 自己破産をすると借金がすべてチャラになると考えている方は多いと思います。 しかし,厳密にいうと,破産手続と免責手続は別ですので,自己破産(破産手続)をしても,免責の許可を受けることができなければ,借金はチャラにはなりません。 ただ,破産手続と免責手続は別とはいっても,通常,破産手続と免責手続は同時に申立てをして,裁判所において両手続は並行して進行します。 では,破産手続をしても,免責が許可されないことはあるのでしょうか? この点,破産法では,252条1項で,免責が許可されない事由(免責不許可事由)が定められており,...

自己破産をしても処分されない財産②-東京地方裁判所の処分・換価基準

弁護士の櫻田です。 前回の記事では,自己破産をしても処分されない財産として自由財産,具体的には,99万円以下の現金と差押禁止財産についてご説明しました。 では,上記以外の財産については,自己破産をすると例外なく処分・換価の対象となって残すことはできないかというと,そうではありません。 99万円以下の現金と差押禁止財産のほかにも残すことができる財産があります。 この点,東京地方裁判所においては,個人の破産事件について,処分・換価を要する財産と要しない財産の基準を設けています。 そこで,今回は,東京地方裁判所における個人の破産事件の処分・...

自己破産をしても処分されない財産①-自由財産(99万円以下の現金,差押禁止財産)

弁護士の櫻田です。 自己破産をすると財産はすべて残せないのではないかと思われる方もいらっしゃいます。 実際,管財事件型で自己破産をすると,所有している価値のある財産の多くは処分され,現金化(換価)された上で,債権者に配当されることになります。 しかし,自己破産は,破産者の経済生活の更生を図るためのものですので,すべての財産が処分されるわけではありません。決して多くはありませんが,自己破産をしても残せる財産もあります。 そこで,今回は,自己破産をしても処分されない財産についてご説明します。 自己破産手続(管財事件型)における財産の分...

同時廃止型と管財事件型の違い②-東京地方裁判所の振り分け基準

弁護士の櫻田です。 前回に引き続き,自己破産における同時廃止型と管財事件型の違いに関する記事です。 今回は,具体的に,東京地方裁判所において,同時廃止型と管財事件型の振り分けをする基準について詳細にご説明します。 前回の記事でご説明したとおり,同時廃止型は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められるときになされるもので,この費用の基準は20万円が原則となります。 また,東京地方裁判所の運用では,この財産基準以外にも基準が定められています。 以下,東京地方裁判所において,管財事件型に振り分けられる場合を挙げていき...

同時廃止型と管財事件型の違い①-概要

弁護士の櫻田です。 今回は,自己破産における「同時廃止型」と「管財事件型」の違いについて,ご説明します。 自己破産の手続をする場合に,同時廃止型か管財事件型のどちらになるかは,手続の内容やスケジュール,費用等に大きく関わってくるとても重要な関心事項になります。また,複雑で分かりにくい事項も多く含まれています。 そこで,複数回に分けてご説明することにします。 同時廃止型と管財事件型の違い 自己破産の手続には,「同時廃止型」と「管財事件型」の2種類があります。 破産手続とは,本来,破産者の財産を処分・換価して,債権者に配当をした上...

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